特選輸入車 Vol.705 フォードフォーカス ST エディション (Ford Focus ST Edition)｜VWゴルフと並ぶベンチマークカー、2025/11生産終了｜イギリス新車販売

今回ご紹介するのは、フォードフォーカス ST Editionです。VWゴルフGTIと双璧を成すベンチマークカーとして知られるフォーカスSTは、2025年11月で生産終了が決定しており、入手できるのは今がラストチャンス。ST Editionはフォードパフォーマンスがサーキット走行も視野に入れて手掛けた限定仕様で、調整式サスペンションや軽量ホイール他、走りのための一流パーツを標準装備。実用性と走りを両立した“究極のファミリー・ホットハッチ”です。

※一部写真には欧州仕様車のものを使用しています。

フォードフォーカス ST エディションとは？

「ST」とは”Sport Technologies”（スポーツテクノロジー）の略で、フォードパフォーマンスが公道上で高いパフォーマンスを発揮できるよう手を入れたスポーツグレード。フォーカスにも初代から4代目の現行モデルに設定されており、トラックを視野に入れた「RS」よりはマイルドな仕様になっています。ただし、フォーカス Mk4には「RS」モデルが存在しないためか、今回の「ST エディション」は通常の「ST」より走りに振った位置づけがなされています。

●ココがポイント

フォードパフォーマンスが開発した公道／サーキット両用モデル
調整式KW Automotive製コイルオーバー（2ウェイ減衰・車高調）を標準装備
ST専用トルクベクタリング・eLSD（電子制御LSD）搭載
19インチ軽量フローフォーミングホイール＋ピレリP-Zero Corsaタイヤ
363 mmブレンボ4ピストンフロントブレーキ（レッドキャリパー）
生産台数限定、英国仕様は右ハンドル・6速MTのみ

●エクステリア・サイズ

フォーカス RS Mk3を彷彿とさせる、Azure Blue（アズーラブルー）の専用ボディカラーにルーフや各部のブラックアクセントが映える攻撃的なスタイリング。10 mmローダウンされた車高と専用19インチホイールが、一目で標準STとの違いを主張します。シャープなMk3モデルよりもマッシブなボディデザインは力強さも感じさせます。

サイズは全長 4,378 mm × 全幅 1,825 mm × 全高 1,454 mm、ホイールベース 2,700 mmで、トヨタ GRカローラ RZとほぼ同じです。

●インテリア・インフォテインメント

ブラック基調のインテリアには随所にブルーのステッチが配され、フォードパフォーマンスが関与したモデルであることを主張します。特にRECARO風デザインのパフォーマンスシート（Partial Sensico – Ebony）は秀逸で、6ウェイ電動調整&ヒーターを装備。メーター類もカラーディスプレイ化され、13.2インチSYNC 4タッチスクリーンはワイヤレスApple CarPlay／Android Autoに対応、B&Oプレミアムオーディオも標準搭載されます。

●エンジン・パワートレイン

エンジンはフォード定番ともいえる2.3L 直列4気筒ターボ EcoBoost を搭載。2.0Lが中心のライバルモデルに比べ、排気量の地力に勝る、中速域の太いトルクが自慢です。

エンジンタイプ	排気量（cc）	出力（kW/PS）	トルク（Nm）	駆動方式	トランスミッション	0–100 km/h	最高速度
2.3L 直列4気筒ターボ EcoBoost	2,261	206 / 280	420	前輪駆動	6速MT	5.7 秒	250 km/h

●走行性能・ハンドリング

eLSD（電子制御LSD）と可変ドライブモードで路面状況に応じたグリップを確保
KW 2ウェイコイルオーバーにより減衰・車高を個別調整可能
スプリングレートは標準ST比で50％以上アップし、俊敏な応答性を実現

英国ではベストハンドリングカーの一台として、高い評価を受ける「フォーカス ST」。AUTOCAR誌日本語版の末尾では以下のように語られています。

クラストップの動的能力を備え、日常的に高度なエンターテイメント性を享受できるフォーカス ST。落ち着いた姿勢制御も特長で、ベンチマークといえる完成度にあることは変わらない。

より速いモデルや、四輪駆動のモデルはあるが、楽しさに欠ける場合もある。ホットハッチのスイートスポット的な、フォーカス STの強みにブレはなく、エディション仕様はその魅力をさらに強化している。

こんな素晴らしいドライバーズカーの提供時間は、残り少ない。関心を抱き、入手可能な環境にあるなら、早めに行動へ移された方が良さそうだ。