アルピーヌ A110 R チュリニは、A110の中でもサーキットでの走行を意識して設計され、軽量化とエアロダイナミクスを追求した特別モデル。サブネームにはフランスを代表する峠道の名が与えられています。開発にはBWTアルピーヌチームF1が全面的に協力、F1®カーボンによる専用のフロントスプリッター、ボンネット、サイドスカート、リアスポイラー、ディフューザー、リアフードや軽量ホイールを採用、さらにサベルト製カーボンフルバケットシート（6点！ハーネス）にストラップ式ドアオープナーの効果もあり1,082kgという圧倒的な軽さを実現しました。
搭載するエンジンはA110 Sと同じ1.8L直4ターボ（300ps／340Nm）ですが、これらの空力パーツは効果的なダウンフォースを発生させ、低重心シャシー（A110 S比で10mm）、調整式ダンパーと相まって抜群の加速（0-100km/hは4.0秒）とコーナリング性能を発揮します。日常使いから本格的なスポーツ走行まで、幅広いシーンでドライビングの楽しさを堪能できるモデルです。ちなみにRはRadical（過激）の意だそう。
今回は、和歌山県にお住まいのH様より、フローティングタイプ！の前後ブレーキローター交換をご依頼いただきました。A110 R チュリニのパフォーマンスを最大限発揮し、かつ安全な走行に寄与できるよう、入念な整備を実施しました。
作業内容
- フロントブレーキローター交換
- リアブレーキローター交換
対象部位
ブレーキローターは、安全に直結する重要な部品です。摩耗が進むとブレーキ性能が低下し、制動距離が伸びる可能性があります。特に高性能車両では、ブレーキ性能を最大限に発揮できるよう、定期的な点検と必要に応じた交換が求められます。
交換されたパーツの詳細
このフローティングディスクは、スポーツカーや高性能車に多く採用される技術であり、サーキット走行などの過酷な条件下でその性能を発揮する設計となっています。
フローティング構造
ディスクローターがハブに直接固定されるのではなく、専用のボルトやピンを介して取り付けられる構造です。このため、ローターの熱膨張や収縮の変形を抑え、効率的な制動力を発揮します。
放熱性能の向上
フローティングディスクは、通常の固定ディスクよりも熱の分散性が高く、ブレーキ操作時のフェード現象（効きが悪くなる現象）を防ぎます。特にスポーツ走行やサーキット走行ではこの点が非常に重要です。
高い制動性能
フローティング構造により、ブレーキパッドとローターの接触面が均一になるため、制動力が向上します。また、ローターの偏摩耗も抑えられ、長期間安定したパフォーマンスを発揮します。
軽量化
一部のフローティングディスクでは、ローターの中央部分にアルミニウムなどの軽量素材を使用することで、車両全体のバネ下重量（サスペンションより下にある重量）を削減します。これにより、ハンドリング性能が向上します。
スリット加工
写真に見られるように、ローター表面にはスリットが施されています。これにより、ブレーキパッドの表面を常にクリーニングし、熱の発散を助ける効果があります。また、水分やガスの排出を促し、ウェットコンディションでも高い制動力を維持します。
お客様へのお礼
H様、この度はYMワークスをご利用いただき誠にありがとうございました。アルピーヌ A110 R チュリニのメンテナンスをお任せいただき、大変光栄です。安全で快適なドライブをお楽しみいただけるよう、今後も全力でサポートいたします。また何かご不明点や追加整備のご要望がございましたら、いつでもご相談ください。次回のご利用を心よりお待ちしております。
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