スーパーカー特集|Ferrari 296 GTB(フェラーリ 296GTB)
モデル概要
2025年にはフェラーリ初のEVが登場しますが、内縁機関搭載のスポーツカーに背を向けることはなく、最新の296GTBが登場し、この車にはいくつかの素晴らしいテクノロジーが搭載されています。モビリティを重視する企業がある中、顧客が車を楽しむべきと考えるフェラーリがそのために開発したのが296になります。
デザインは象徴的な250LMの伸びやかなテールと長いバットレスからインスピレーションを得た、新しい美学に息づいています。296GTBではこうした明確な要素に加え、フェラーリの限定車やワンオフモデルではすでにみられるような、シリーズ生産のラインナップにはない新しいビジュアルディテールを導入しています。
V6を選択することで軽量化にも繋がります。V6の重量は、F8のV8よりも30kg軽くなっています。これはハイブリッドシステムによる130kgの増加を補うもので、そのうち73kgはバッテリーが占めています。また、マフラーはステンレス鋼よりも耐熱性が高く、薄く軽くできるインコネル製になっています。
気になる点とすれば、F8トリブトと比較すると、296GTBはシリンダー数が少ないにも関わらず35kgほど重くなっています。また、ステアリングはマクラーレンのアルチュラに採用された電動油圧式から電気機械式に変更され、リアアクスルに電気モーターを搭載するため、ブレーキもワイヤー式になっています。
性能/機能
296GTBのコックピットはV型6気筒ターボチャージャーとプラグインハイブリッドシステムが搭載されています。ガスエンジンと電気モーターを組み合わせて819bhpを発生させ、8速デュアルクラッチオートマチックトランスミッションを介して後輪に供給されます。また、6kwのバッテリーから電力を供給し、電気のみでの走行もできます。
V6エンジンは新しいアルミニウム製シャーシの低い位置に搭載され、V8エンジン搭載車と比較してホイールベースが50mm短縮されました。電気モーターは165bhpと231lb-ft、V6単体では654bhpと546lb-ftというパワーを発揮します。EVのみでの航続可能距離は約15マイル(25km)になります。
フェラーリが開発した6w-CDSと呼ばれる6軸センサーで、X、Y、Zの各平面における加速度と回転速度の両方を測定することができます。従来のヨーセンサーに代わり、ステアリングラックに取り付けられたセンサーと組み合わせることで、ドライバー動きだけでなく、コンパクトパッチのグリップレベルを知ることができます。
エンジンが回転することで、296の最も優れた要素の1つであるサウンドを味わえます。クランクシャフトのピンは120度離れており、規則正しい燃焼順序とフェラーリV12自然吸気エンジンを彷彿とさせるサウンドを奏で、ディ・シモーネはこのエンジンをピッコロV12と呼んだほどです。
インテリア
ダッシュボードにはSF90譲りのデジタルインターフェイスが採用されています。シートやインテリアの各所にイタリアンレザーを使用しており、クーペとしての高級な面をアピールしています。センターコンソールにはかつてのフェラーリのゲート式マニュアルギアボックスをイメージしたプッシュボタンシフターが装備されています。
前方の視界はスカットルがそれほど低く切り取られていないため、マクラーレンほどではありませんが悪くありません。しかし、フラットなエンジンカバーとパノラミックに広がるリアスクリーンによって、後方視界はクラストップレベルです。
スポーツカーとしては乗り心地もよく、風切り音やロードノイズもあまり気になりません。街中では電気で静かに滑るように走行し、そうでないときはガソリンに切り替わります。シートは快適で、上質なイタリアンレザーに包まれた美しい造りになっています。後退時もカメラでサポートしてくれます。
キャビン内に入る際は体勢を低くして乗り込むため少し大変かもしれませんが、内部は思っている以上にスペースがあります。シート背面のバッテリー上部にある113Lの棚は小さなバッグ程度を収納するのに便利で、201Lのフロントトランクの下にはキャリーバッグが2つほど入るスペースがあります。