燃料警告灯(燃料ランプ)が点灯・点滅している原因と対処方法

燃料警告灯(燃料ランプ)が点灯・点滅している原因と対処方法

トラブル症状

黄色やオレンジ色の給油スタンドのような警告灯が点灯、または点滅している症状です。この警告灯は、燃料ランプや燃料警告灯と呼ばれ、燃料の残量が少なくなっていることを知らせるものです。この警告灯が点灯した場合は、できるだけ早いタイミングで給油が必要です。

燃料警告灯が点灯するタイミングは車種によって異なりますが、一般的に乗用車は燃料が残り10Lから7L、軽自動車は5Lから4L程度になると点灯する設定がされています。これにより、警告灯が点灯してから50km程度走行できると言われています。ただし、燃料の種類や車種、ハイブリッド車かどうかによって変動がありますので、所有する車両の警告灯の点灯タイミングや普段の燃費を確認しておくと焦らずに済みます。

また、燃料を給油しても警告灯が消えない場合は故障が疑われますので、修理をご依頼ください。

中村 武央 監修者
整備士 / テクニカルディレクター
中村 武央

兵庫県 猪名川町在住 1972年生まれ

2005年ラリージャパンではチーフメカニックとして活躍。プジョー、シトロエン、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンなど、様々な欧州車メーカーの車両を数千台以上担当し、幅広い知識と技術を持つ。10代からクルマに興味を持ち、工業系大学卒業後、大手チューニングショップを経て1999年にワイエムワークスに入社。 …続きを読む

考えられる原因と故障診断

① 燃料の不足

原因

燃料が不足し、警告灯が点灯するラインを下回った。

診断方法

燃料計を確認し、燃料の量が少なくなっている場合は燃料の不足を知らせています。

修理・改善方法

燃料の補給を行うことで改善します。

② 燃料が少ない状態で斜面に停車している

原因

警告灯が点灯するレベルまで燃料が減っていなくても、坂道や段差などで車が傾いた状態となり、燃料タンク内の燃料が偏ってセンサーが正しく機能していない状態です。

診断方法

平坦な道に戻った際に警告灯が消える場合は、燃料タンク内の偏りが原因だったと推測されます。また、燃料の量が警告灯が点灯するレベルギリギリになると、カーブや段差などの振動で液面が変化し、警告灯が不規則に点滅するような状態になる場合もあります。

修理・改善方法

異常ではないため特に処置は必要ありませんが、燃料の補給が根本的な改善につながります。

③ 燃料計の故障

原因

燃料の残量は燃料タンク内に組み込まれた燃料計によって計測されています。この燃料計はフロートと呼ばれる「浮き」が燃料の液面に浮かんでおり、燃料が減れば液面の低下とともにフロートも下がります。フロートと繋がった抵抗の抵抗値が変化することで燃料計に反映されます。

フロートは液面に合わせて上下しますが、可動部が引っ掛かって動かなくなると、燃料計の表示と実際の燃料の量に誤差が生じます。燃料警告灯が点灯する位置で引っ掛かりや抵抗値の異常が生じると、燃料を給油しても抵抗値が変化せず、燃料警告灯が点灯したまま消えなかったり、燃料の量が増えないなどの症状が発生する可能性があります。

診断方法

燃料を補給しても燃料の量が増えなかったり、警告灯が点灯したまま消えない場合は燃料計の不具合が疑われます。反対にフロートが満タン位置で引っ掛かり、下がらない状態になっていれば、いくら走行しても燃料の残量が減らなくなります。

実際には燃料が減っていますので、燃料が減っていることに気がつかない分、こちらの故障の方が危険度が高いと言えます。日ごろから満タンに給油してから次回給油が必要になるまでの走行距離を把握していると異変に気が付くことができますので、トリップメーターなどを活用しましょう。

修理・改善方法

フロートの引っ掛かりの場合は、段差を乗り越えた際の振動や、走行中の液面の揺れなどによって引っ掛かりが外れて正常に動く場合もありますが、基本的には一度引っ掛かりが生じた燃料計は交換が必要となります。

また、抵抗値の異常が発生している場合も交換が必要です。燃料計は燃料タンク内部に取り付けられていますので、静電気やほんの小さな火花などで火災に至る非常に危険な作業となります。必ず信頼できる修理工場で修理を行う必要があります。