クラッチフルードが黒や赤茶色に変色している原因と対処方法

トラブル症状
新品のクラッチフルードはやや黄色がかった透明な色をしています。しかし、クラッチフルードやブレーキフルードの特性として吸湿性が高く、空気中の水分や結露によって劣化しやすいという性質があります。
劣化したフルードは黒っぽく変色しますが、シリンダーなどの金属部分に錆が発生すると赤茶色に変色することもあります。劣化したフルードは、徐々に沸点が下がりベーパロック現象を引き起こす恐れや、錆によってマスターシリンダーやホイールシリンダーの固着を引き起こす恐れがありますので、定期的に交換する必要があります。
考えられる原因と故障診断
①フルードの劣化
原因
空気中の水分や汚れ、配管内やレリーズシリンダー、マスターシリンダー内部の結露などによってフルードが劣化し、変色します。
診断方法
リザーバータンクのキャップを取り外し、フルードの汚れ具合を確認します。
修理・改善方法
フルードの交換によって改善します。その際、リザーバータンク内のフルード交換だけではなく、配管内のフルードまで交換することが重要です。
②配管内やレリーズシリンダー、マスターシリンダーの錆び
原因
クラッチラインの配管やレリーズシリンダー、マスターシリンダーなどの金属部分に錆が発生し、フルード内に混入するとフルードが赤茶色に変色する場合があります。
診断方法
リザーバータンクのキャップを取り外し、フルードの汚れ具合を確認します。また、ホイールシリンダーやマスターシリンダーの錆も確認が必要です。
修理・改善方法
フルードの交換だけでは根本的な改善にはならないため、錆が発生している箇所の特定が必要です。シリンダー内の錆が原因で、研磨による清掃が可能な場合はインナーパーツの交換と清掃を行い、清掃が困難な場合はシリンダーや配管自体の交換が必要となります。