クルーズコントロールが機能しない・警告灯が点灯している原因と対処方法

トラブル症状
クルーズコントロールはアクセル開度の調整や減速を自動で行い、速度を一定に保つ機構であり、高速道路などの長距離運転で高い効果を発揮します。しかし、様々なセンサーやレーダー(カメラ)などを使用するため、どれか一つでも欠けると正常に機能しなくなってしまいます。
ボタンを押してもクルーズコントロールが作動しない、メーターパネルにクルーズコントロールの警告灯が点灯するなどの不具合が発生した場合は、専門知識を持つ修理工場で点検が必要です。
考えられる原因と故障診断
①クルーズコントロールスイッチの故障
原因
クルーズコントロールを開始するためのスイッチや、速度の設定などを行うスイッチが故障して作動しない。
診断方法
クルーズコントロールのスイッチが故障しても、センサーやコントロールユニットに異常が無い場合は警告灯は点灯しません。クルーズコントロールスイッチの導通を確認してスイッチが故障していないかの確認を行います。
修理・改善方法
単純にスイッチのみの不良であれば、スイッチの交換によって改善します。
②ブレーキスイッチの故障(接触不良)
原因
クルーズコントロールはほとんどの車種でブレーキやクラッチを踏むと解除するようになっています。そのため、ブレーキスイッチが故障して誤作動を起こしたり、接触不良などによって不安定になるとレーダークルーズが効かなくなったり、意図せず解除されることがあります。
診断方法
診断ツールを接続してブレーキスイッチの信号出力を確認したり、ブレーキランプの点灯を見ながらスイッチの正確性を確認します。
修理・改善方法
ブレーキスイッチが故障している場合はスイッチの交換によって改善します。
③クラッチセンサーの故障(接触不良)
原因
クルーズコントロールはほとんどの車種でブレーキやクラッチを踏むと解除するようになっています。そのため、クラッチセンサーが故障して誤作動を起こしたり、接触不良などによって不安定になるとレーダークルーズが効かなくなったり、意図せず解除されることがあります。
診断方法
診断ツールを接続してクラッチセンサーの信号出力を確認します。
修理・改善方法
クラッチセンサーの交換によって改善します。
④レーダーやカメラの汚れ
原因
前方を走る車との距離を測定するレーダーやカメラ部分に大量の水滴や雪、汚れなどが付着して正しく距離を測れない状態になると、安全のためクルーズコントロールは作動しない仕組みになっています。
診断方法
レーダーやカメラに異常が発生すると、クルーズコントロールの警告灯や他の安全機能に関する警告灯が同時に点灯して作動しなくなります。取扱説明書を確認してレーダーやカメラの位置を確認し、雪や汚れが付着していないか確認します。
修理・改善方法
レーダーやカメラの汚れを除去することで改善します。
⑤レーダーやカメラの故障
原因
前方を走る車との距離を測定するレーダーやカメラが故障すると、警告灯の点灯を伴いクルーズコントロールやブレーキアシスト機能など様々な安全機能が作動しなくなります。
診断方法
診断ツールを接続してエラー内容を確認します。
修理・改善方法
レーダーやカメラの交換によって改善しますが、車種や搭載されている機能によってはこれらの調整や交換は電子制御装置作業(特定整備)に該当する可能性があり、特別な資格や認証を持った工場で行う必要があるため注意が必要です。
⑥アクセルセンサーやスロットルポジションセンサー、速度センサーなどの故障
原因
アクセル開度を検知するためのセンサーや、スロットル開度を検知するセンサー、走行速度を検知するセンサーなどが故障すると車両の状態を正しく判断できなくなるため、様々な警告灯が点灯して安全装置やクルーズコントロールなども作動しなくなります。
診断方法
診断ツールを接続してエラー内容の確認を行い、数値などの点検を行います。
修理・改善方法
診断ツールで特定した不良箇所を交換することで改善します。
⑦電子制御ユニットの故障
原因
クルーズコントロールはECUで制御されているものや、クルーズコントロール用に別の基板(ユニット)を搭載している場合があります。特に旧式の車両ではクルーズコントロールユニットを搭載していることが多く、このユニットが故障するとクルーズコントロールが効かなくなり警告灯が点灯します。
診断方法
診断ツールの接続を行いエラー内容を確認します。
修理・改善方法
クルーズコントロールユニットを交換することで改善しますが、部品自体が廃盤となっているケースも多く修理が難しい場合もあります。ただし、基板修理専門の業者などに依頼することで修理が可能となった事例もありますので、一度ご相談ください。