車のドアが開かない・ロック解除できない原因と対処法

トラブル症状
車のドアを開けようと操作しても開かないという症状は、内容や原因が多岐に渡ります。
車速感応施錠機能と呼ばれる走行中に自動でロックされたり、チャイルドロックのような機構によってドアが開かなくなるような故障ではなく機能の一部による要因、電気信号を受けてドアの施錠や開錠をするロック部分が故障したり、ハンドルのリンクなどが故障してしまう機械的要因、電気信号が送れなくなっていたりロック部分が電気的に故障してしまう電気的要因、接触事故などによって車体が変形してしまって開かなくなる外的要因などが考えられます。
室内から開けられないのか、外からも開けられないのか、後部座席か運転席や助手席かなど、症状を正しく把握して診断する必要があります。
考えられる原因と故障診断
正常な機能でドアがロックされているケース
①オートドアロック機構
原因
走行時に自動で施錠される機能がついた車両があります。一定のスピードで自動的に施錠されるものや、施錠されるとPレンジ以外では室内からドアが開かなくなるなどの機能をもつ車種もあります。ただし、この機能がついた車両ではシフト位置を検知するセンサーやスイッチが壊れてしまうとドアロックが解除できなくなる可能性があります。
診断方法
取扱説明書で機能の有無を確認します。Pレンジにしているにも関わらず開かない場合は、診断ツールでの確認が必要です。
修理・改善方法
シフトセンサーやスイッチが壊れている場合には交換することで改善します。
②チャイルドロックがかかっている
原因
主に後部座席に備えられる機構で、子供による思わぬドア操作を防ぐために室内からドアが開けられなくなる仕組みです。意図せずチャイルドロックを操作してしまうと、室内からドアが開けられずに故障と勘違いしてしまうケースがあります。
診断方法
チャイルドロックであれば室外からは通常通りドアを開くことが可能ですので、外からは開くけれど室内からは開けられないという場合はチャイルドロックがかかっている可能性があります。設定や解除方法は説明書に記載がありますので、取扱説明書の確認が必要です。
修理・改善方法
説明書を確認して解除操作を行います。
故障によってドアが開かないケース
③ドアハンドルやリンク、ドアロック部の機械的故障
原因
ドアハンドルの内部やリンクが破損してドアが開けられない状態です。リンク外れ、折れ、ギヤの欠けや脱落などの機械的要因であり、全席や後部座席問わず発生します。近年の車ではリモコン操作での開錠や施錠を実現するために電動のロック機構が使われることが多くなりました。そのため、モーターやアクチュエーターが作動しなくなるとドアが開かなくなってしまいます。
診断方法
機械的な破損では、ドアハンドルを操作した際に重くて動かなくなっていたり、反対に軽すぎてロックを解除している手ごたえが全く感じられなくなるなどの症状が起きやすくなります。モーターやアクチュエータは通電を確認し、通電があるにもかかわらず動作していない場合にはアクチュエータやモーターの故障が考えられます。
修理・改善方法
ドアハンドルやリンク、ロック部やモーター、アクチュエータの交換によって改善します。
④ スイッチや配線などの電気的不具合
原因
スマートロックや集中ロックなどの機能に不具合が起きると、ドアの開錠ができなくなってドアが開かなくなってしまいます。また、モーターやアクチュエータを繋ぐ配線が切れてしまっていたり、接触不良などがあると駆動ができなくなり開錠や施錠ができなくなります。
診断方法
通電の確認や診断ツールを接続しての確認、スマートキーなどを操作しながらの検証が必要となります。
修理・改善方法
スマートキーの交換や配線の修理、車とのマッチング(セットアップ)などによって改善します。
⑤ 車体の変形やパッキンの貼りつきなど外的要因によるもの
原因
接触事故などで車体が変形してしまうと、歪みによってドアが開かなくなる可能性があります。また、車のドアには防水パッキンなどが取りつけられ雨水の侵入やほこりの侵入を防いでいますが、パッキンの劣化や高温などによる変質などでドアに貼りつき開かなくなっている可能性もあります。
診断方法
車両の外周に変形や歪みが無いかを確認します。
修理・改善方法
車体の変形や歪みは修正が可能であれば板金修理やドアの交換によって改善します。ドアの貼りつきはパッキンの交換によって改善します。