エンジンオイルが黒く濁っている、ギトギトしている原因と対処方法
トラブル症状
オイルレベルゲージなどでエンジンオイルの汚れを確認すると、真っ黒になっている。また、よく見るとオイルの中に模様が浮き上がるようなギトギトした印象を受ける。
黒くなったエンジンオイルは交換時期を過ぎているサインです。汚れたままのエンジンオイルを使用し続けると、エンジンの気密性が損なわれて出力の低下を招いたり、清浄能力の低下、粘土の低下による保護性能の低下などを招きます。さらに使用を続けると、オイル内に溜まったスラッジや汚れによってオイルの粘度が増加し始めてドロドロになってきます。ドロドロになったエンジンオイルは本来の役割を果たせませんので、最終的にはエンジンが焼きつき、始動不能となります。
考えられる原因と故障診断
エンジンオイルの汚れ具合の診断方法と修理・改善方法は全原因で共通です。
①エンジンオイルの交換時期を大幅に過ぎている。
原因
エンジンオイルは一般的に5000km〜6000km走行ごとの交換が推奨されており、エンジンオイル交換２回に1回の割合で、オイルフィルターの同時交換が推奨されています。この交換時期を過ぎてしまっているため、エンジンオイルの汚れが進行して真っ黒になっている可能性があります。また、先述の交換目安はあくまでも一般的なものになりますので、街乗りや短距離の移動が多くエンジンの温度が上がる前に走り終えてしまう使用や、坂道や悪路などの走行が多くエンジン回転数が上がりやすい使用など、シビアコンディションといわれる使用環境の場合は、目安よりも早く交換時期がくるケースがあります。
②直噴式のエンジンで、オイルの劣化や汚れが早い。
原因
近年のダウンサイジングターボ車や小型エンジンにもよく見られる直噴式のエンジンは、燃焼室内に直接燃料を噴射します。そのため、エンジンオイル内に微量の燃料が混じったり、ススやカーボンが発生しやすく、エンジンオイルの劣化の進行が早いという傾向がみられます。一般的な目安よりも交換時期が早くなりますので、エンジンオイルが真っ黒な場合は交換時期を過ぎている可能性があります。
③オイル内にキラキラと光る粒子（金属の粉）がある。
原因
エンジンオイル内にキラキラと光る金属の粒子が見られる場合は、エンジンの一部が摩耗して金属粉が発生している状態です。オイルの潤滑性能や保護性能が低下し、エンジン摺動部がこすれて摩耗している可能性があります。
診断方法
オイルレベルゲージに付着したオイルを目視で確認します。その際白いウエスを使用した方が汚れ具合がはっきりと確認できます。また、オイルフィラキャップを開けて、内部を目視することで、オイルが固まりかけている状態が判別可能な場合もあります。
修理・改善方法
ここまで汚れたエンジンオイルは交換が必須です。エンジンオイルが真っ黒になるほど汚れている場合は、オイルフィルターもかなり汚れが堆積してしまっている状態になりますので、基本はエンジンオイルとオイルフィルターのセット交換が望ましいです。
エンジンオイルが汚れやすい直噴式は、通常の目安より交換サイクルを早めることでオイルの過度な劣化によるエンジンへのダメージを軽減することが可能です。金属粉が出るほど摩耗してしまったエンジン内部の修復は難しいため、こちらも交換サイクルを早めることでエンジンへのダメージを最低限に抑えることが重要です。
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