車体が片側に傾斜している原因と対処方法

トラブル症状
車が前後左右のいずれかに傾いているという症状です。車内からの視線(視界)に違和感を感じることもあれば、少し車から離れて見た外観で気が付くこともあります。一般的な道路や駐車場には、雨水を効率よく排水するため水勾配という角度がつけられていますが、平坦な場所に比べてわずかに角度がついている程度であるため、日常ではあまり意識されません。しかし、注意してみるとわずかに車が傾いて見えることがありますので、車の異常なのか、路面の影響なのかをしっかり判断することが重要です。
車の異常によって傾いている場合には、外観や視界以外にも操作に違和感があったり、異音が生じているなどの不具合も併発している可能性がありますので、思い当たることがあれば点検時に伝えると解決に繋がりやすくなるケースもあります。
考えられる原因と故障診断
積載物の偏り
原因
車内に重い荷物を置いていると、車が傾きます。荷物を積んでいる位置によって前後や左右で傾きが異なります。
診断方法
車内の積載状態を確認します。また、一度積載物をすべて降ろして、空荷の状態にして確認することも有効です。
修理・改善方法
一度荷物を降ろすか、積載位置の調整をすることで改善が見込まれます。
パンク
原因
タイヤの空気圧が不足していると、車がわずかに傾きます。特に扁平率が高い(サイドウォールの厚みがある)タイヤの場合、空気圧不足による傾きが顕著になります。タイヤを見比べて、他のタイヤより潰れて見える場合は注意が必要です。
診断方法
タイヤの空気圧を点検し、明らかに低い場合はパンクしている可能性があります。
修理・改善方法
パンクしているタイヤを修理または交換し、空気圧を適切に調整します。
サスペンションの異常
原因
サスペンションの劣化(へたり)や、ショックアブソーバーのガス抜けやオイル抜けが発生していると車体が沈み込むため、片側に傾くことがあります。
診断方法
サスペンションを目視で点検し、異常があるか確認します。走行中に車の挙動が不安定になる場合も、サスペンションの異常が疑われます。ただし、積載物の偏りが原因の場合もあるため、車内の状態にも注意が必要です。
修理・改善方法
サスペンションやショックアブソーバーを交換することで改善します。
車高調の異常や調整不良
原因
車高調整機能が付いている車両の場合、調整が不適切であるか、部品の故障が原因で片方に傾くことがあります。
診断方法
車高調整の状態を確認し、調整不良や部品の破損がないかを点検します。
修理・改善方法
車高を適切に調整し、必要に応じて故障した部品を交換します。


