車のブレーキ時にガリガリ音がする原因と対処法
トラブル症状
ブレーキをかけるとタイヤ付近からガリガリと異音が発生する症状です。振動をともなったり、制動力(ブレーキ力)の低下を併発する可能性もあります。これは通常ではあまり考えられない異音のため、もしこのような音が発生していたらすぐに点検が必要です。ブレーキローターを削ることが前提の車種や、ブレーキパッドやローターをカスタムしているお車は特にご注意ください。
ブレーキパッド損傷やブレーキローターの亀裂などの明らかな異常が考えられるため、放置するとブレーキが効かなくなったり、破損した部品による二次被害で損傷箇所が増えてしまう可能性があります。ブレーキが効かない状態となる可能性もあり非常に危険ですので、至急点検が必要です。
注意:ブレーキの分解を伴う作業は特定整備(旧:分解整備)に該当します。必ず専門の知識と設備を持つ整備工場に依頼してください。
考えられる原因と故障診断
① ブレーキパッドの損傷
原因
ディスクブレーキのブレーキパッドが割れたり、欠けてしまったりしてブレーキング時に異音が発生している可能性があります。ブレーキパッドは非常に高温になるため、高温のまま水たまりに侵入したり、洗車時に水をかけて急激に冷やしたりなどの温度変化によってダメージが蓄積して損傷に至ったり、ブレーキローターの歪みやヒビ、亀裂などが原因でブレーキパッドにダメージを与えて損傷に至るなどの要因が考えられます。ブレーキパッドが損傷すると、制動力(ブレーキ力)が著しく損なわれるため非常に危険です。
診断方法
タイヤを取り外し、ブレーキキャリパーからブレーキパッドを取り外して確認します。特にローターの裏側(車体の内側)は目視しにくいため、見落とさないようしっかりと取り外して確認が必要です。
修理・改善方法
ブレーキパッドの交換によって改善しますが、ブレーキローターのヒビや割れが主原因の場合には同時に交換が必要となります。
② ブレーキローターのヒビ、割れ
原因
ブレーキローター(ブレーキディスク)が偏摩耗で薄くなっていたり、劣化や熱変形などによって歪んでしまった箇所に力が集中してヒビが入ったり、放熱用の穴に亀裂が入るなどして、傷となった場所が引っかかって音が発生している可能性があります。ヒビや亀裂が入った状態で使用を続けると、やがてブレーキパッドを損傷したり、ブレーキローターが破断してしまうなどの致命的な損傷につながる危険があるため、非常に危険です。
診断方法
タイヤ、ブレーキキャリパーなどを取り外し、まんべんなくローターを点検することが必要です。歪みや偏摩耗の診断は取り外してダイヤルゲージなどで測定する必要があります。
修理・改善方法
ローターの変形や歪みは修復が難しいため、交換が基本の作業となります。ハイパワー車や、レース仕様にチューンした車、ブレーキローターを削りながらブレーキをかけることが前提の車種などはブレーキにストレスがかかりやすいため、定期点検を活用してブレーキの点検をこまめに行うことが安心、安全なドライブへとつながります。