ブレーキ警告灯が点灯・点滅している原因と対処法

トラブル症状
メーターパネル内のブレーキ警告灯が点灯や点滅をしている状態です。ABSを除き、エクストラメーションマーク(!)を括弧で囲んだようなブレーキの警告灯にはいくつか種類があり、(P!)のマークや、赤い(!)、オレンジや黄色の(!)マークなどがあります。
赤い(!)マークはパーキングブレーキがかかっていることを表しますので、パーキングブレーキ動作中に点灯しているのは正常です。(P!)やオレンジ(黄色)の(!)マークはエンジンをかけた後の数秒点灯し、その後消灯するのは正常な動作ですが、消灯せず点灯したままだったり、走行中に点灯する場合は故障している可能性が高いため、至急点検や修理が必要となります。
警告灯の色には意味があり、赤い警告灯は重篤な故障や事故につながる危険があることを知らせるものです。また、ブレーキ警告灯はブレーキフルードが不足している際に点灯や点滅する車種も多いため、放置せずすぐに修理する必要があります。
考えられる原因と故障診断
① パーキングブレーキの解除忘れ
原因
(!)のマークはパーキングブレーキ(サイドブレーキ)をかけている時に点灯します。パーキングブレーキをかけたまま走行するとブレーキの引き摺りとなり、フェード現象やベーパロック現象を起こしてブレーキが効かなくなるだけでなく、最悪の場合は車両火災に至り非常に危険です。
診断方法
パーキングブレーキがかかっていないか確認します。パーキングブレーキが解除されているのにも関わらず点灯する場合は次に説明するフルードの不足が当てはまる可能性があります。
修理・改善方法
パーキングブレーキを解除することで改善します。ただし、ブレーキに異常が発生している場合にはブレーキパッドやライニングの交換、フルードなど不良個所の修理が必要となります。
② ブレーキフルードが不足している
原因
ブレーキフルードのリザーブタンクが空になると、ブレーキラインにエアが噛みこみブレーキが効かなくなってしまうため、フルードが不足するとリザーブタンク内のセンサーが反応して赤い(!)マークを点灯します。フルードが減っていく段階で、センサーの反応域ギリギリの量となると、振動やカーブでの液面の揺れによって警告灯が不規則に点滅するような症状となることがあります。
診断方法
ブレーキフルードのリザーブタンクを確認します。フルードが著しく減っている場合には漏れが考えられますので、車両をリフトアップしてくまなく漏れや滲み箇所を点検します。
修理・改善方法
漏れや滲みがあれば補修を行い、フルードを補充することで改善します。
③ 電子制御のパーキングブレーキに異常がある
原因
(P!)の警告灯は電子制御式パーキングブレーキに異常があることを示しています。ロックの解除や動作に異常がでている可能性があります。
診断方法
診断ツールを接続してエラーや動作の確認を行います。パーキングブレーキの動作音がするかどうかも診断基準の一つです。
修理・改善方法
電子制御のパーキングブレーキはスイッチ、アクチュエーター(モーター)、センサー、ブレーキなど色々なパーツで構成されているため、故障診断でしっかりと診断し、特定した箇所の修理を行うことで改善します。
④ 電子制御ブレーキシステムに異常がある
原因
電子制御式のブレーキは制動力の分配などブレーキを自動でコントロールするシステムですが、このシステムに異常が発生するとオレンジや黄色の(!)マークが点灯します。すぐに深刻なトラブルに繋がる可能性が高いわけではありませんが、ブレーキ関係のトラブルは事故に繋がる危険がありますので、放置せずに修理が必要です。また、電子制御ブレーキシステムに異常が発生すると、ABSやトラクションコントロールなどにも影響を及ぼすため、複数の警告灯が同時に点灯する場合があります。
診断方法
診断ツールを接続してエラーの確認を行います。ホイールセンサーやコンピューター本体、ABSアクチュエータなど原因は多岐に渡るため、診断ツールのエラーを元に原因箇所の特定を行う必要があります。
修理・改善方法
診断ツールでの診断結果をもとに、センサーやアクチュエータ、コンピューターの交換が必要です。