車のドアが正常な位置より下にズレている原因と対処方法

トラブル症状
車のドアが通常より下がっているという症状です。ドアを閉めた時に車体フレームとの隙間が斜めになっていることで気づいたり、ドアを開けた際にドア自体が斜めになっていることで気づく場合があります。症状が重い場合にはドアの開け閉めの際にフレーム部に干渉する可能性もあります。
また、ドアが下がってしまうとロック部分もずれが生じるため、ドアが閉まりにくい、半ドアになりやすいなどの症状が併発する可能性が高くなります。ドアのロック部に無理な力がかかる状態で使用を続けると、ドアが閉まらなくなる、開かなくなるなどの二次被害につながるため、異常に気づいたら早めに修理が必要です。
考えられる原因と故障診断
①ヒンジの緩み
原因
長年の使用や振動により、ドアヒンジ(ドアの蝶番部分)を固定しているボルトが緩むことがあります。ドアヒンジが緩んだことでガタが発生し、ドアが下がっている可能性があります。
診断方法
ドアを軽く手で持ち上げて、上下に動かした際にヒンジ部分にガタつきがあるか確認します。ただし、力をかけるように動かすと変形させてしまう危険があるため、あくまでもガタを確認する程度の力加減で行います。
修理・改善方法
緩んだボルトを締め直すことで問題が解決する場合があります。緩みがあったヒンジやヒンジ用ボルトはガタによって摩耗している場合がありますので、必要に応じてヒンジやボルトを交換します。
②ヒンジの摩耗
原因
ドアヒンジが経年劣化により摩耗し、ドアを適切に支えられなくなることがあります。長期間の使用によってドアヒンジの軸部分が摩耗してしまったことで、ドアの角度が維持できなくなってしまっている可能性があります。
診断方法
ドアを動かしながら、ヒンジ部分に異常な摩耗や隙間が生じていないかを目視で確認します。ドアを開けた状態で軽くゆするように動かすのも効果的です。
修理・改善方法
摩耗したヒンジは交換が必要です。ヒンジ交換後は、ドアの位置調整も同時に行います。
③ドアの重量変化
原因
後付けの装備や内部への水の侵入による重量変化で、ドアが下がることがあります。ドア異常の原因としてはかなり稀ですが、ドアの水抜き穴が詰まって内部に水が溜まってしまったり、大型のスピーカーやデッドニングなどによって重量が増加すると、ドアヒンジの変形や摩耗の原因となります。
診断方法
ドアに装備品が追加されているか、またはドア内に水が溜まっていないかを確認します。ドア内に水が溜まっている場合には、開け閉めの際にチャプチャプと水の音が発生します。
修理・改善方法
装備品を取り外すか、内部の水を取り除くことで重量を元に戻し、ドアの位置を調整します。内部に長期間水が溜まっていた場合は、パワーウインドウモーターなどの電装品の交換が必要になる可能性もあります。
④車体の歪み
原因
事故や衝撃によって車体(フレーム)が歪み、ドアの位置がずれて下がることがあります。車の骨格であるフレームの歪みは走行安定性などに影響を与えることも多いですが、ドアの下がりや隙間の不均一は典型的な症状の一つです。
診断方法
車体フレーム全体の歪みを専門の機器を使って確認します。
修理・改善方法
車体の歪みは専門の修理工場でフレームの矯正作業が必要となります。ただし、歪みの修正は非常に難しく、完全に元通りになることはほとんどありません。微細なズレや影響が残るケースが多くなります。