フロントガラスの内側が曇る原因と対処方法

フロントガラスの内側が曇る原因と対処方法

トラブル症状

冬場や梅雨時によく見られる、フロントガラスが曇って見えづらくなる症状です。フロントガラスの曇りというと内側が曇るイメージが強いですが、湿度が高い環境で室内の方が冷えているとフロントガラスの外側が曇ることもあります。これは、車内と車外の温度差や湿度の差が大きいと、空気中の水蒸気がガラスに付着して結露が発生し、曇りの原因となるためです。また、ホコリや汚れが付着していると、ガラスの表面に小さな凹凸ができ、水滴が付着しやすくなるため曇りやすくなりますので、ガラスをきれいに保つことも予防になります。

中村 武央 監修者
整備士 / テクニカルディレクター
中村 武央

兵庫県 猪名川町在住 1972年生まれ

2005年ラリージャパンではチーフメカニックとして活躍。プジョー、シトロエン、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンなど、様々な欧州車メーカーの車両を数千台以上担当し、幅広い知識と技術を持つ。10代からクルマに興味を持ち、工業系大学卒業後、大手チューニングショップを経て1999年にワイエムワークスに入社。 …続きを読む

考えられる原因と故障診断

車内の湿度が高く外気の方が冷たい

原因

冬に乗車人数が多い場合などは室内の湿度が上がりやすく、さらに外気が冷えているためフロントガラス内側が曇りやすくなります。

診断方法

ウォッシャーを出してワイパーを動かしても曇りが取れない場合は、フロントガラスの内側が曇っています。指や手のひらでこすると油膜がつく原因となりますので、注意が必要です。

修理・改善方法

内気・外気の切り替えが内気循環になっていると、室内の湿度がこもってしまうため、外気導入にすることで改善する場合もあります。それでも取れない場合は、A/Cボタンを押し、デフロスターを使用することで改善します。

車内の温度が低く、外気の気温と湿度が高い

原因

夏場の雨上がりなど気温と湿度が高い場合は、A/Cを使用して室内が冷えているとフロントガラスの外側が結露して曇りやすくなります。

診断方法

ワイパーを動かして曇りが取れる場合は、外側が曇っています。

修理・改善方法

ワイパーを動かして曇りを取ることや、エアコンの温度設定を上げて温度差を小さくすることで、曇りにくくなる可能性があります。

A/Cボタンが入っていない

原因

冬場にフロントガラスが曇る場合は、デフロスターを使用することが有効ですが、フロントガラスに風が当たるだけでは曇りを取り除くことができません。A/CがONになっていて、除湿の効果がある風が当たることで曇りを取り除く効果を発揮します。

診断方法

A/Cボタンが押されているかを確認します。

修理・改善方法

A/Cボタンを押してA/Cを作動させることで改善します。

エアコン吹き出し口の切り替えができていない

原因

A/CがONになっている状態でデフロスターを使用しても、フロントガラス内側の曇りが取れない場合は、エアコンの吹き出し口の切り替えができていなかったり、吹き出し口が塞がれている可能性があります。

診断方法

デフロスターの吹き出し口はフロントガラスの下側にあります。この吹き出し口から風が出ているかを確認し、車内のインテリアなどが吹き出し口を塞いでいないかも確認しましょう。

修理・改善方法

吹き出し口切り替えスイッチの交換や、吹き出し口を切り替えるサーボモーターの交換によって改善します。吹き出し口が塞がっている場合は、塞いでいるものを取り除くことで改善します。

エアコンが故障している

原因

エアコンのコンプレッサーやその他エアコン関連部品が故障している場合、A/Cボタンを押しても除湿効果が発揮されず、フロントガラスが曇りやすくなります。

診断方法

エアコンをONにして一番温度を下げた状態でも冷風が出なかったり、異音がする場合はエアコンの故障が考えられます。

修理・改善方法

エアコンの故障箇所を特定し、修理や交換を行うことで改善します。