ブレーキペダルを踏むと異常に硬い・重い原因と対処方法

トラブル症状
ブレーキペダルの踏み心地がいつもより重たく、ペダルを踏み込む際に通常よりも力が必要で、ブレーキの効きも弱く感じることがあります。自動車のブレーキは、通常エンジンの負圧を利用した倍力装置(ブレーキブースター)によって、ブレーキペダルの踏み力をアシストしています。この倍力装置は、エアクリーナーダクトやインテークマニホールド付近とゴム製のホースで接続されており、吸入時に発生する負圧と大気圧の差を利用してブレーキ力をアシストします。この装置のアシストは非常に大きく、倍力装置が正常に作動しない場合、ブレーキを効かせるためには背もたれに体を突っ張りながら思い切りペダルを踏み込まなければなりません。ブレーキの異常は事故に直結する危険があるため、異常を感じたら至急修理が必要です。
考えられる原因と故障診断
① バキュームホースの損傷や外れ
原因
エンジンの負圧を利用するためのホースが損傷している、または外れている場合、倍力装置の負圧が弱くなり、アシスト力が低下、もしくはアシストが全く効かなくなっている可能性があります。
診断方法
エンジンルームを確認し、エアクリーナーダクトやインテークマニホールドに接続されているバキュームホースを点検します。バキュームホースに亀裂や損傷がないかを確認し、倍力装置からホースが外れていないかもしっかり確認しましょう。
修理・改善方法
亀裂や損傷部分をテープなどで塞ぐことで応急処置が可能な場合もあります。しかし、これはあくまで緊急時の応急処置であり、基本的には劣化したホースは交換する必要があります。
② マスターシリンダーの固着
原因
マスターシリンダーはブレーキペダルの踏み込みを油圧に変えて、前後左右のブレーキに伝える役割があります。このマスターシリンダーが錆などで固着すると、ペダルの踏み込みが重くなったり、動かなくなったりします。
診断方法
ブレーキフルードを抜き取るためのブレーキブリーダーを緩め、フルード内の圧力を逃がします。この状態でブレーキペダルを踏んだ際にペダルが重ければ、マスターシリンダーに異常があると考えられます。
修理・改善方法
マスターシリンダーを分解し、インナーキットを交換することで改善します。ただし、マスターシリンダー本体に傷や摩耗がある場合は、マスターシリンダーASSYの交換が必要です。