トランスミッションのガリガリ音・異音がする原因と対処方法
トラブル症状
走行時にトランスミッションからガリガリと異音がしている。他にも、ガガッやギリギリといった音が出ることもあります。走り出しに違和感があったり、変速がうまくいかない、加速時に滑るなどの症状を感じるケースもあります。
トランスミッションはエンジンの動力をタイヤに伝えるための非常に重要な部品ですので、不具合が起きると走行不能に陥る可能性が高くなります。トランスミッションから異音がしている場合は、機械的な損傷や摩耗が発生しているケースが多く、早急な修理が必要です。異音に気がついたら早めに修理を検討しましょう。
注意:トランスミッションの脱着や分解は、特定整備(旧:分解整備)に該当しますので、必ず専門の知識と資格を持つ整備工場にご依頼ください。
考えられる原因と故障診断
① ベアリングの劣化
原因
トランスミッション内部には多くのベアリングが使用されています。経年劣化や金属粉による摩耗が進行すると、ベアリングにガタが生じたり、金属粉が内部に侵入して異音を発生させます。ベアリングは常に回転しているため、走行中に異音が続くことが多くなります。
診断方法
ミッション内部のベアリングの状態を確認するには分解が必要です。他の部位、例えばドライブシャフトやホイールベアリングなどに異常がない場合、消去法でミッション内部のベアリングやギヤの異常が疑われます。
修理・改善方法
ミッションを分解し、異常が確認されたベアリングを交換することで改善します。その他の部品も同程度に劣化している可能性があるため、消耗品を全て交換するオーバーホールが推奨されます。工期の短縮を優先する場合は、ミッションASSYでの交換も考慮されます。
② ギヤの欠け、摩耗
原因
長期間の使用や過負荷が原因でギヤが摩耗したり、一部が欠けることによって異音が発生します。異常が発生したギヤの場所によって、特定のシフトで異音が発生することや、変速時に音がする場合があります。
診断方法
ミッション内部のギヤの状態を確認するには、ミッションの分解が必要です。他の部位に異常が見つからない場合、消去法でミッション内部のギヤやベアリングの問題が疑われます。
修理・改善方法
ミッションを分解し、異常が確認されたギヤを交換すれば問題は改善されますが、他の部品も同程度に劣化していることを考慮し、オーバーホールを行うのが理想です。ミッションASSYでの交換も選択肢の一つです。
これらの症状が発生した場合は、専門知識を持つ整備工場で詳細な診断を受け、適切な修理を行うことが強く推奨されます。