車内外から異音がする原因と対処方法

車内外から異音がする原因と対処方法

トラブル症状

車を運転していると、エンジン音やロードノイズ、エアコンの音や電子機器の作動音など様々な音が聞こえてきます。新車のうちは特に気にならなくても、年数を重ねるうちに様々な部品が劣化し、車の内外から発生する音も自然と大きくなりがちです。一口に「異音」といっても、経年劣化による自然な音の増大と、故障や不具合によって発生する音に分けられますので、昔は聞こえなかった音が聞こえるようになった場合は一度点検することをお勧めします。

また、異音には常時音が発生するものと、ある特定の条件下(例:高速道路走行中や時速40km/hでエンジン回転数が1500rpmの時など)のみで音が発生するものがあります。故障診断や修理において、症状が再現できないと原因の特定が非常に難しくなるため、「いつ」「どんな音が」「どのあたりから聞こえる」などの条件を覚えておくと原因究明がスムーズになります。

中村 武央 監修者
整備士 / テクニカルディレクター
中村 武央

兵庫県 猪名川町在住 1972年生まれ

2005年ラリージャパンではチーフメカニックとして活躍。プジョー、シトロエン、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンなど、様々な欧州車メーカーの車両を数千台以上担当し、幅広い知識と技術を持つ。10代からクルマに興味を持ち、工業系大学卒業後、大手チューニングショップを経て1999年にワイエムワークスに入社。 …続きを読む

考えられる原因と故障診断

① 室内で音が発生しやすい箇所と音の種類

ダッシュボード:ビビビ、カタカタ、ギチッギチッ

ドア:ガタガタ、カタカタ、ギシギシ

シートレール:カタカタ、ギシギシ、ギッギッ

内装パネル:ビビビ、カタカタ、ギチッギチッ

    原因

    各部品の劣化による硬化や、隙間の増大、摩耗などによってガタが生じ、エンジンの振動による共振によって異音が発生しやすくなります。エンジンの振動も関係するので、エンジンマウントやトランスミッションのマウントなどの劣化が原因となって室内に影響を与えることも多くあります。また、エンジン内部の摩耗によっても振動が大きくなりやすいため、根本的な解決が難しいケースもあります。

    診断方法

    エンジンの回転数や気温など症状の出やすい状態を作り、音の発生源を探します。

    修理・改善方法

    原因となる箇所に吸振材を入れたり、固定方法の変更や追加、エンジンマウントの交換などが有効となります。

    ② エンジンルームで音が発生しやすい箇所と音の種類

    エンジン本体:ガラガラ、カラカラ、キンキン

    補器類:ガラガラ、カラカラ、ギュー(ギャー)、ガタガタ

    エンジンやトランスミッションのマウント:ガタガタ、カタカタ

    原因

    エンジンルームからの異音は、ベアリングの損傷や焼き付き、エンジン内部の異常などが原因で発生します。また、エンジンやトランスミッションのマウントが硬くなったり、損傷してしまうと振動が大きくなります。

    診断方法

    音の発生源を探し、ガタや回転に異常がないかを確認します。マウントは目視によって確認します。

    修理・改善方法

    補器類やマウントの交換、場合によってはエンジンのオーバーホールが必要となります。

    ③ 足回りで音が発生しやすい箇所と音の種類

    サスペンション:ギシギシ、ガタガタ、ガンッ、ギュッギュッ

    ブレーキ:ギシギシ、ギー、キー、ガリガリ

    タイヤ:カチカチ、チッチッ

    タイロッドエンド:ギリギリ、ギギ、ガコッ、ガキン

    ドライブシャフト:ギリギリ、ガキン、ガリガリ

    原因

    ゴム製品の劣化によって軋み音が発生したり、摩耗やガタによって異音が発生します。タイヤの場合は小石などがタイヤ溝に挟み込んでしまうと、小石が地面に当たるタイミングで周期的に異音が発生します。

    診断方法

    音の発生している箇所の点検を行います。タイヤの場合はリフトアップしてタイヤを一周目視確認します。

    修理・改善方法

    不具合部品の交換や、タイヤから小石を取り除くことで改善します。