電動シートが動かない・調整が効かない原因と対処方法

トラブル症状
電動パワーシートは主に運転席や助手席に備え付けられる装置で、ボタン操作によって座席の前後や高さ、背もたれの角度などをモーターの力で調整する機構です。この電動パワーシートが故障すると、スイッチを操作しても動かなくなってしまいます。全ての調整ができない場合と、特定の動きだけができなくなる場合があります。
考えられる原因と故障診断
① 電動パワーシートスイッチの故障
原因
パワーシートを操作するためのスイッチ内部接点が接触不良となって、モーターに電気が送られていない。この場合、全ての動きができなくなる場合と、特定の操作だけができなくなる場合があります。
診断方法
スイッチと繋がるコネクターの導通テストや、モーターへの電圧を確認します。
修理・改善方法
故障しているスイッチを交換することで改善します。
② 配線やコネクターの異常
原因
スイッチとモーターを繋ぐ配線やコネクターに異常があると、電気を流すことができずパワーシートが動かなくなってしまいます。共通の電源線に異常があればパワーシート全体の動きに影響が発生し、特定の配線のみに異常があれば、該当する動きができなくなります。
診断方法
配線やコネクターを目視で点検し、損傷や腐食、接触部の焼けなどを確認します。コネクターの接続や、差し込み端子の裏側などが切れかけていないかなど入念にチェックが必要です。また、導通テストを行いながら配線を揺らすと、配線内部の断線が見つかる場合もあります。
修理・改善方法
配線に異常があれば繋ぎ直す、新たに引き直すなどの作業で改善します。コネクターに異常がある場合は、コネクターの交換や端子の交換などによって改善します。
③ モーターの異常
原因
パワーシートを動かす動力であるモーターに異常が発生すると、パワーシートが動かなくなります。パワーシートには1つのモーターで様々な機構を駆動させる1モーター式や、リクライニング用、スライド用など個別に複数のモーターを使用した方式があります。
診断方法
モーターに異常が発生すると、動作時に異音がする、動く時と動かない時があるなど前兆のような症状が出る場合があります。動かなくなる前にこのような症状があったかなどの問診や、モーターに電圧をかけて作動確認を行います。
修理・改善方法
モーターの交換をすることで改善します。