アクセルペダルが動かない・重い・固着する原因と対処方法

アクセルペダルが動かない・重い・固着する原因と対処方法

トラブル症状

アクセルペダルが固くて踏み込めない、または踏み込むと戻ってこなかったり、動きが渋く引っ掛かったような感じがするという症状です。アクセルペダルが踏み込めずに車の発進ができなかったり、力を込めた瞬間に動いて車が急発進する場合があります。また、踏み込んだアクセルペダルが引っ掛かって戻らないと、車が停止できなかったりエンジン回転が下がらないなどの症状が出ます。

基本的には非電子制御の車で、スロットルワイヤーを使用している場合に起こりやすい不具合です。アクセルペダルは車をコントロールする上で非常に大切な部品ですので、異常があるまま放置すると車の急発進やアクセルが戻らず暴走する危険もあります。これらの症状が出た場合は、早急に修理が必要です。

考えられる原因と故障診断

① アクセルワイヤーの固着

原因

アクセルペダルの動きをスロットルバルブに伝えるためのワイヤーです。自転車のブレーキワイヤーに似た構造で、チューブ内部に金属製のワイヤーが入っています。このチューブ内には潤滑と防錆のための油分がありますが、経年劣化で油分が失われると錆びたり汚れが溜まり、動きが悪くなります。その結果、アクセルペダルが重くなったり、戻りが悪くなったりします。長期間放置した場合、錆で完全に固着するとアクセルペダルが動かなくなることもあります。

診断方法

アクセルペダルやスロットルバルブとの連結を切り離し、ワイヤーに力や負荷がかからない状態で摺動を確認します。外側を保持しながら内部のワイヤーを動かした際、スムーズに動かない、粘ついた動き、引っかかりを感じる場合はワイヤーが不良と考えられます。

修理・改善方法

アクセルワイヤーの交換によって改善します。油切れが原因の場合、一度ワイヤーを取り外して内部に給油すると一時的に改善する可能性がありますが、応急処置に過ぎません。アクセルペダルの動きに違和感を感じたら、専門知識を持つ整備工場で点検・交換を行うことが推奨されます。

② アクセルペダルスプリングの折損

原因

アクセルペダルスプリングは、踏み込んだペダルを戻すリターンスプリングです。このスプリングが折損すると、アクセルを踏み込んだ後に戻らなくなり、いわゆる暴走状態になる可能性があります。シフトをニュートラルやパーキングにすれば車両は走行しませんが、エンジン回転数は下がらず空ぶかし状態になります。

診断方法

アクセルペダルを手で持ち上げ、再び落ちるか確認します。持ち上げたペダルが戻らない場合はスプリングの折損が疑われます。

修理・改善方法

アクセルペダルスプリングを交換することで改善します。スプリング取り付け部が折損または損傷している場合、アクセルペダル全体の交換が必要になるケースもあります。

③ スロットルバルブの固着

原因

アクセルペダルと連結されたアクセルワイヤーがスロットルバルブを開閉します。このバルブは吸入空気量を調整する役割を持っていますが、錆や汚れが原因で動きが渋くなることがあります。結果としてアクセルワイヤーやペダルの動きも悪化します。バルブが完全に固着すると、アクセルペダルが動かなくなる可能性があります。

診断方法

アクセルワイヤーとスロットルバルブの連結を切り離し、手動でスロットルバルブを動かして確認します。スムーズに動かず、粘ついた動きや引っかかりを感じる場合、スロットルバルブの固着が疑われます。

修理・改善方法

キャブレタークリーナーや洗浄剤を用いてスロットルバルブを清掃することで改善する場合があります。清掃で改善しない場合は、スロットルバルブASSYを交換する必要があります。