ワイパーが動かない原因と対処方法

トラブル症状
フロントガラスを拭こうとワイパーのスイッチを入れても動かないという症状です。ワイパーの作動不良には、反応が全くない場合や、モーター音はするもののワイパーが動かない、間欠ワイパーが作動しないなどの症状があります。
考えられる原因と故障診断
① アースの接触不良
原因
自動車の電気回路はプラス側の配線を各機器まで結線し、マイナス側はバッテリーのマイナス端子と接続された車体の金属(ボディ)に接続する「ボディアース」という方式が取られています。そのため、車体と接続しているアース線の断線や、アースの役割を果たす部品の金属部分が錆びて接触不良となるなど、アース不良が原因でワイパーが作動しないことがあります。これはワイパーに限らず、自動車の様々な部品で発生しうる不具合です。
診断方法
ワイパーモーターのアース線や部品の金属部分がしっかり接続されているか確認します。
修理・改善方法
アース線や金属部分の接触を確認し、必要に応じて再接続や清掃を行います。
② ワイパーのナットの緩み
原因
ワイパーアームの根本にあるナットが緩むと、ワイパーアームを動かす力がしっかりと伝えられないため、モーター音はするもののワイパーが動かないことがあります。
診断方法
ワイパーアームのナットが緩んでいないか確認します。
修理・改善方法
ナットを締め直して、ワイパーアームがしっかり固定されていることを確認します。ワイパーアームの取り付け部分である「スプライン」と呼ばれる縦溝が削られてしまっている場合は、ワイパーアーム、ワイパーユニットの交換が必要となります。
③ ヒューズ切れ
原因
ワイパーのスイッチを入れてもモーター音が聞こえない場合、ヒューズ切れが原因の可能性があります。
診断方法
車両のヒューズボックス内のワイパー関連のヒューズを確認します。
修理・改善方法
切れているヒューズがあれば、新しいものに交換することで改善します。ただし、ヒューズが部品の異常や回路の短絡などが原因で切れている場合は、先に不具合箇所の修理が必要となります。
④ ワイパーユニット(モーターユニット)の故障
原因
モーター音がしない場合は、ワイパーユニット(モーターユニット)が故障している可能性があります。
診断方法
ワイパーユニットの単体点検を行い、正常に動作するかを確認します。
修理・改善方法
ワイパーユニットを交換することで改善します。
⑤ ワイパースイッチの故障
原因
ワイパースイッチ自体が故障している場合、ワイパーが作動しなくなります。
診断方法
ワイパースイッチの導通確認や、コネクターの接続などを確認します。
修理・改善方法
ワイパースイッチを交換することで改善します。
⑥ ワイパーリレー(コントロールユニット)の故障
原因
ワイパーリレー(コントロールユニット)は間欠ワイパーやワイパースピードのコントロールを制御する部品です。このワイパーリレーが故障している場合、ワイパーの動作が不安定になったり、間欠ワイパーが作動しないなどの症状が発生します。
診断方法
間欠ワイパーが使用できなかったり、ワイパーの動きが不安定になる場合はワイパーリレーの不具合が疑われます。
修理・改善方法
ワイパーリレーを交換することで改善します。