特選輸入車 Vol.719 マトラ 530 LX(Matra 530 LX) | ミサイルの名を冠した、フレンチ2+2ミドシップスポーツ|ドイツ在庫車販売

特選輸入車 Vol.719 マトラ 530 LX(Matra 530 LX) | ミサイルの名を冠した、フレンチ2+2ミドシップスポーツ|ドイツ在庫車販売

1970年代初頭のフランスで、航空宇宙メーカーの技術と独創的なデザインが融合した、ユニークな2+2ミッドシップスポーツ マトラ 530 LX(Matra 530 LX)の欧州現地(ドイツ)販売車(左ハンドル/マニュアル)をご紹介します。

マトラ 530 LXとは

マトラ 530は、フランスの航空・兵器産業の巨人であったマトラ(Mécanique Aviation Traction)が、本格的な市販スポーツカーメーカーとして名乗りを上げた最初のモデルです。1967年に登場し、1970年にマイナーチェンジが施された後期モデルがこのLX(Luxe)です。マトラの設計思想は「voiture des copains(仲間たちのためのクルマ)」であり、ピュアなレーシングカーではなく、日常的な使い勝手と快適性を重視した、ミッドシップレイアウトの2+2という極めてユニークな設計が特徴です。

その特異なメカニズムは以下の通りです。

  • ミッドシップ2+2
    後部中央にエンジンを搭載しながら、緊急用の後部座席(2+2)を確保。この絶妙なパッケージングを実現するため、エンジンには前後長の短いフォード・タウヌス製1,699cc V4 OHVを採用し、コンパクトに収めています。
  • グラスファイバー製ボディ
    軽量化のため、スチール製プラットフォームシャシーにFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製ボディを結合。
  • タルガトップ
    ルーフは分割して取り外し可能なタルガトップ構造。LXモデルではリアウィンドウがヒンジ付きのガラスハッチとなり、実用性と整備性が向上しています。
  • デザイン
    初期型からジョヴァンニ・ミケロッティが手を入れたLXは、クロームバンパーなどを採用し、洗練されたスタイルとなっています。

1971年式に搭載されたV4エンジンは、最高出力約75〜77 psを発揮。車重わずか930kg前後の軽量ボディと相まって、最高速度は約175km/hをマークしました。航空技術メーカーらしい合理性と空力設計、フレンチデザインのエスプリが融合した、極めて個性的なクラシック・スポーツカーです。

※スペックは仕向地・仕様、諸説あるので参考程度にお考え下さい。

マニアックなポイント(トリビア)

日本国内では、マトラ530は非常に希少な存在で、イベントなども見かける機会はほとんどありません。その独特の個性と、航空宇宙企業が作ったというバックグラウンドを持つマトラ530 LXは、知る人ぞ知るフレンチスポーツカーとなっています。生産台数はシリーズ全体で約9,600台、そのうち約半数の4,700台余りがLXです。

  • ミサイルの名を持つ
    車名の「530」は、マトラ社が開発し、ミラージュ戦闘機で運用された空対空ミサイル「R.530」に由来します。
  • シムカとの関係
    1970年以降、マトラはクライスラー・ヨーロッパ傘下のシムカと提携し、シムカのディーラー網を通じて販売されました。後継車は「マトラ・シムカ・バゲーラ」となります。
  • 異形の兄弟「SX」
    LXと並行して存在した廉価版「SX」は、LXのポップアップ式ヘッドライトを固定式4灯に変更し、後部座席を廃して本格的な荷室(2シーター)としていました。LXよりも更にスパルタンな仕様です。

車両個体情報

ご紹介しているのはドイツ国内で販売されている、1971年式 Matra 530 LX、左ハンドルの4MT車。マトラらしい鮮やかなレッドを纏った、走行約78,500km表示(現地表記)の個体です。

写真で見る限り、FRPボディならではの劣化は軽微で、メッキパーツの状態も良好に見えます。この時代のFRPスポーツカーとしては、オリジナリティを保った貴重な個体と言えるでしょう。ミッドシップV4エンジンという特異な構造のため、機関系はクラシックカーに理解のある専門店の整備が必須となります。

  • 外観: 塗装のツヤも良く、大きな破損は見られません。タルガトップの脱着も機能しているようです。
  • 内装: ほぼオリジナルのようで、時代を感じさせるファブリックシートの状態も良好ですが貼り換えた方が無難でしょう。ダッシュボードのクラックなどもなさそうですが、写真からは正確な判断ができません。
  • 機関・足回り: V4エンジンのコンディション、およびリアに集中する熱対策は現車確認後の徹底した点検・整備が必要と思います。

装備・仕様(参考)

  • フォード・タウヌス製 V4 OHV 1,699cc エンジン
  • 4速マニュアル・トランスミッション
  • ポップアップ式ヘッドライト
  • 2分割タルガトップ構造
  • ヒンジ付きガラス製リアハッチ
  • 2+2シートレイアウト
  • グラスファイバー製ボディ
  • クロームバンパー(LX仕様)

車両基本情報

項目詳細
モデルマトラ 530 LX(Matra 530 LX)
年式1971年
寸法全長:4,180mm、全幅:1,640mm、全高:1,210mm(参考値)
ホイールベース2,320mm
車重約930kg(参考値)
エンジン1,699cc V4 OHV
最高出力約75〜77 ps(DIN)(参考値)
駆動方式後輪駆動(ミッドシップ・MR)
ハンドル位置左ハンドル
ミッション4速マニュアル
外装色レッド(現地表記)
走行距離約78,500km(現地表記)
所在ドイツ

※スペックは仕向地・仕様、諸説あるので参考程度にお考え下さい。
※排気量・諸元は現地表記に基づく案内です。実測・書類上の数値は到着後に確定します。

ギャラリー

乗り出し価格:詳細未定(目安税込5,000,000円程度)

※多少の補修、整備は必要なクラシックカーです。クラシック車の特性上、点火系・燃料系・ブレーキ系などの予防整備を推奨します。ワイエムワークスなりの評価・判断に基づく加修・調整作業とお客様希望を勘案して価格は決定したいと考えています。ご希望の予算・納期・用途(イベント/普段使い/コレクション等)を伺い、最適な整備メニューと輸入プランをご提案します。当社サービス工場にて消耗品交換・各部調整・改善作業・車検・板金塗装まで一貫対応可能です。
なお、車両によっては、クーラー、パワステ等の加工装着が可能な場合もあります。ご希望の方はご相談ください。

◎日本国内乗り出し価格(ヨーロッパ・北米のディーラーよりの回送費用、神戸港までの輸送費用、積降のデバン費用、国内での通関費用、車検に纏わる整備費用、登録諸費用等を含めた大阪店頭渡しの価格です。国内各地への配送は別途承ります。)
◎ワイエムワークスで販売する中古車には、車検整備相当の24か月点検整備、エンジンオイルをはじめとする全油脂類、フルード、クーラントの交換をお付けしています。
◎その他の消耗品(ブレーキパッド、バッテリー、タイヤ等)の交換は有償でお受けしています。ご希望の作業がある方はお申し出ください。

u719 マトラ 530 LXについて」とお伝えください。

参本内容は現地情報に基づく暫定案内です。日本到着後の点検結果により記載と異なる場合があります。

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